弓道初心者の矢数稽古の練習方法について

日本古来の武道である弓道を初めて習う方にとって、効果的に上達する方法を試行錯誤することは必至だと思いますが、ここでは、弓道の基本になる練習方法のひとつでもある、矢数稽古の重要性を知る必要があります。


1. 弓道の習得第一段階の三つの稽古

弓道の初心者は、まず、指導者から弓の取扱い方、引き方といった基礎を教えてもらうことから、「見取稽古」、「工夫稽古」、「矢数稽古」による、自己トレーニングで上達を目指すことが始まります。

「見取稽古」とは、指導者や上級者、先輩の稽古を見て習うことをいいます。

武道は、「型」を正しく忠実に再現することが求められます。この「型」をまねるためには、稽古の場で見て、共感し、体得することが上達への第一歩となるのです。

ただ、「型」だけを見るのではなく、そのひとつひとつの動作に込められた「心」を感じる必要があります。

「工夫稽古」とは、自分で研究して上達を目指すことをいいます。

弓道に関する指導書で勉強したり、指導者、上級者、先輩に質問をして、自分の射法を省みて、正していくのです。




「見取稽古」では、質問などはすることなく、技を盗んでいくものですが、「工夫稽古」では、実際に疑問に思ったことを聞くことができるので、それまで、見るだけでは会得できなかった行射の意味を理解し、より正しく忠実に「型」を再現することが可能になってきます。

「矢数稽古」とは、実際に的に弓を射る練習のことを指します。

「見取稽古」で学んだことを、確実に自分のものにするための大切な稽古になります。


2. 弓道の稽古はバランスが必要

弓道も他の武道と同じように、心・技・体を重んじます。

「見取稽古」で盗んだ技を、「矢数稽古」で多くの矢を射ることで体得し、「工夫稽古」で自分の射法の問題点を改善し、この三つの稽古を繰り返すことによって、上達を目指すのです。

弓道の練習の目的は、的に中てる技術の成長だけでなく、精神の成長の意味合いも含まれています。

「矢数稽古」は、バッティングセンターで球を打ち込む練習と似ていると思われがちですが、ただ漫然と矢数をかけていても、上達は望めません。

実際に矢を射ることで体力はついても、「型」が正しくできていなければ、的に中てることはできて、試合に勝つことはできても、弓道の結果としては負けを意味することにもなります。

正しい「型」を追求し、反復練習によって確実に体に覚えさせることが、自信につながり上達への近道となることでしょう。







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