弓道の離れにおける射癖について

弓道には色々な射癖があり、瞬間的に起こる離れに関してもそれは同様です。離れの射癖は、矢が真っ直ぐに飛ばなかったり、狙った所に飛ばなかったりするため、的中に直結します。

ここでは、その射癖について紹介します。


1.大離れ

大離れとは、鳥がはばたくようにこぶしを大きく開き過ぎる離れをいいます。

これは射癖の一つではありますが、ゆるまず、離れの勢いが出るため、必ずしも悪いとされません。大きく開くことで勢いを感じられるため、好印象を受ける人さえいます。

大離れは、肘と肩の高さがそろい、会で左右にしっかり押し合えているとなりやすいです。そのため、なおし方としては、気持ち肘を肩よりも後ろに引きつけるのが良いでしょう。

しかし、この射癖は前述した通りゆるまないため、この射癖をなおそうとして離れがゆるんでしまっては逆効果です。そうなってしまうよりは、現状維持の方がいいでしょう。

ただ、この離れは肘にかかる負荷が大きいのか、肘が痛くなることがあります。そうなった場合は、肘の向きを意識してみるといいかもしれません。


2.すくい離れ

すくい離れは、引分けで弓を引きつけて、呼び合いが足りないために、切り下げるように離れることをいいます。こぶしの高さや位置は一見すると良いのですが、切り下げるため、矢は的の上の方に集まります。




これをなおそうと、離れの軌道を変えようとしてしまいがちですが、そうすると離れがゆるんでしまい、弓道の上達を妨げてしまうことがあります。

肘の収まりは良い場合が多いので、伸合の方向に気を付けると良いでしょう。

会では、真横に向かって伸合いましょう。すると、真っ直ぐに離れることができると思います。


3.ゆるみ離れ

離れは様々なくせが表れる節です。どんなものでも、大抵は、伸合の方向だったり、心構え一つでなおすことができます。

しかし、「ゆるみ離れ」はとてもなおすことが難しい、厄介な射癖です。

ゆるみ離れは、離れの瞬間に、押し手・引き手の両方あるいはどちらかが、両肩を結ぶ線よりも前に出ているものをいいます。

ゆるみ離れの射癖がありながら、的中が良い人は、的付けが後方へ向いています。ゆるむことでこぶしの位置が的方向へ戻り、矢の軌道が前へ向かうため、結果として的中するのです。

ゆるみ離れは、弓道三大射癖といわれるほど難しい射癖です。人によってはなおすのに数年を要することがあるほどです。

離れがゆるまないよう、会で後ろに押し続ける、というのが一般的ななおし方ですが、それでも中々なおらない方は多いようです。根気強く取懸の指の位置や伸びる方向に気を配り、気を引き締めて稽古をして下さい。

そうやってしっかりと意識してゆるみ離れと向き合い、それをなおせれば、弓道の腕も上達していることでしょう。







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