離れでの手首の癖 | 弓道射法八節

離れの際に手首を意識したことはありますか?

左手首の動作が原因で様々な癖がついてしまうことがあります。

今回の「離れでの手首の癖」では、押手の手首についてご紹介します。


1.弓道での癖

左手首だけで癖になってしまうと言うのは、少しぴんとこないかもしれません。

例えば、弓返りをしたいがために、左手首をくるっとひねって弓返りをさせているとそれが習慣づいて癖になります。

また、無意識のうちに離れの瞬間に手首をくいっと上げて矢を遠くに飛ばそうとしていると、それも癖になります。

特に後者は、無意識のうちに行っている動作になりますから、自分では気づきにくいです。

弓の重さが軽い人や、矢がうまく飛ばない人に多く見られます。

手首の癖は自分で目が届く範囲で、比較的治しやすい癖なので、気づいたり、教えていただいた際には、すぐに治すようにしましょう。

弓道は、ひとつ上達しても慣れてくると、また別の癖や課題が出てきやすい競技ですので、定期的に自分の射形をビデオなどで撮ってみても良いかもしれません。


2. 弓は手首だけで押しているのではない

そもそも、手首に癖がついている人、つきそうな人は、左手だけで弓を押していると思っているようです。

たしかに見た目にはそのように見えますが、できれば、押しているという感覚はこの場合捨てて、弓を広げていると思ってください。

弓を広げた間に自分と矢が入っているというイメージです。

弓は押手だけでは開きませんよね。




引手とバランスよく開くことで正面から見て美しい十文字の形を作ることができます。

また、十という文字はそれぞれ縦横がまっすぐで均等です。

弓を引くときも均等に力が働いていることを確認してください。

もし、どちらかに力が入りすぎている場合は、その場で力を抜いたりするのではなく、足踏みからやり直しましょう。

上達してきたら、最初からやるのは面倒と思う人もいるかもしれませんが、中途半端な射は矢飛びも悪く、練習には適していません。


3.離れでは背中も意識する

それから、開くという動作でもうひとつ意識してほしいのが、背中です。

背中を使って体を開きましょう。

よく疲れたときに後ろに手を伸ばしてぐい~っと背伸びをすることがありますよね。

あのときにバキバキと音がするのですが、それを皆さんが経験しているかどうかはわかりませんが、背中を開くのはそんなかんじです。

手は伸ばせないので、引き分けから会の際に背中をバキバキさせるイメージでやってみると、胸が開けて、弓の中に体を入れることができるので、思いっきり開くことができます。

そして、最後離れの瞬間にはその背中をもっと開いた状態になっていると大きな離れができるので、矢も的の方に跳んでいきます。

どうしても跳ばないときは、弓を重くしてみても良いかもしれません。

弓を重くしたときは、まだ慣れていないので、量より質の練習で、いつもより少なめの練習量にすることをおすすめします。

弓道は、コツコツ地道に練習を続けることで上達できます。

焦らず一歩一歩進んでいきましょう。







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