五つの胴づくりについて|弓道が上達する練習方法

弓道の射法八節中にある「胴造り」。その胴造りには実は五つの胴づくりが存在します。

弓道をはじめたばかりではあまり聞いたことがないかもしれませんが、弓道を上達させるためにはぜひ知っておきたい事柄です。

また、段級試験の筆記試験対策としても知っておいて損はないことです。

そこで今回は弓道が上達するための練習方法のためにもぜひ知っておきたい五つの胴づくりについて3つ解説します。


1. 五つの胴づくり|それぞれの名称

五つの胴づくりと漠然と書いていますが、それぞれの胴づくりには名称があります。まずはその五つの胴づくりの名称を列記します。

・反る胴(そるどう)…上半身が後方へ反るもの

・屈む胴(かがむどう)…上半身が前にかがむもの

・懸る胴(かかるどう)…体が的の方に傾くもの

・退く胴(のくどう)…体が右に傾くもの

・中胴(ちゅうどう)…中立かつ正しい胴づくりで体の重心の最も安定したもの

次の項でそれぞれの胴づくりについて詳しく解説していきます。


2. 五つの胴づくり|それぞれの意味

名称がわかったところで、次にそれぞれの胴づくりが意味することを解説していきます。

・反る胴(そるどう)

反る胴には次のような原因が考えらます。

⇒背筋を伸ばす意識が強すぎる

⇒胸を張りすぎる

また極端な反る胴は弓が90度以上に傾き、上半身の力頼みの射型になってしまいます。

・屈む胴(かがむどう)
屈む胴には次のような原因が考えらます。

⇒腰を後ろに引きすぎている

⇒体から遠い位置を経過しながら打起している

⇒つま先に重心がかかりすぎている

極端な屈む胴では重心が自分の体の前方にきてしまい、つま先立ちのような不安定な射型になってしまいます。

・懸る胴(かかるどう)

懸る胴には次のような原因が考えらます。

⇒中てたい!という気持ちが強すぎる

⇒左手を的の方向へしっかり伸ばさねばという気持ちが強すぎる

⇒左足に力が入りすぎている

⇒右手に向ける意識が欠けている

極端な懸る胴では、右手が遊んでしまいきちんとした矢飛びにならない可能性が出てきます。




また、左右で妙なバランスを離れで取るようになるため、中たる時はいいのですが、バランス・タイミングを外せば急に中たらなくなってしまうでしょう。

・退く胴(のくどう)

退く胴には次のような原因が考えらます。

⇒右手の修正に意識を向けすぎている

⇒左手の力が極端に弱い

⇒大三で右肘を張りすぎている

この退く胴では下手をすると左手が浮いてしまって弦で負傷しまうことがあるでしょう。

また、離れが下方向に出てしまい矢が弧を描くように飛んでいくでしょう。

極端な退く胴は左手のみならず、右手のバランスが崩れます。

・中胴(ちゅうどう)

練習中にはこの「中胴」…中の胴づくりを目指して練習することが弓道上達へつながります。


3. 胴づくりの真価「中の胴づくり」

五つの胴づくりのうち、中胴…中の胴づくりについて先ほど触れましたが、最後に中の胴づくりについて解説します。

本来目指す完成形では、「反る」「屈む」「懸る」「退く」ことない真っ直ぐな胴となります。

真っ直ぐな胴をつくるには、足に無駄な力も必要なく、腰や胸、背中を無理に張るように力を入れる必要もありません。

足踏みで土踏まずの上に重心を落としておけば、まず足に無駄な力が入りません。

さらに姿勢を正すのは、頭のてっぺんから糸でひっぱられるようなイメージを持って上に向かうように体を伸ばします。

上に向かうように体を伸ばす際、全身を曲げないように前方へ少し傾かせ背中の筋肉が少々引っ張られるような感覚をつかむとより的確に胴づくりが上達します。

この胴づくりをマスターすると、足関節から下半身、上半身と頭部にかけての重心線が一直線になり、左右と縦横の均一なパワーバランスが取れます。

中胴のポイントは次の通りです。

・頭のてっぺんから糸で引っ張られるようなイメージを持つ

・全身を曲げないように前方へ少し傾ける

・背中の筋肉が少し引っ張られるような感覚をつかむ

以上五つの胴について解説しました。

最後の項にあげたポイントを踏まえた「中胴」をマスターするように練習を心がけて、弓道を上達させていってください。







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