緊張と早気の関係 | 弓道が上達する練習方法

弓道経験者の中で多くの方が悩まれる射癖の中に、早気というものがあります。早気の射癖は克服するのがとても難しいといわれていますが、早気の原因を探り、克服して弓道を極める方法を見出していきましょう。


1.弓道における早気とは

弓道において射癖は必ずといってもいいほどあらわれるものであり、多種多様の射癖があり、その原因もあるといわれています。

射癖のひとつに、早気といわれるものがあります。

これは、射法八節の会において、充分に会をもつことができない状態を指しています。

離れには、良いタイミング、早すぎる離れ、遅すぎる離れ、早気、もたれとあり、早気は、会に入ったと同時に離してしまうくらいの状態になります。

一般的に、早気は弓道初心者よりも、ある程度的中するようになった時になりやすいといわれています。

最初は少し早いかなと言う状態が、次第に早くなり、やがて決定的な早気に陥ってしまうパターンが多いようです。

早気の原因には、様々なものがあります。

的中を気にしだした時、もっと中てようという気持ちが出てきた時、離れを直そうとした時、強い弓に変えた時、精神的なもののあらわれといったことが考えられます。


2.緊張からくる早気

早気の原因のひとつとして、緊張からくる早気があります。

これは、試合や審査での場面による緊張や、弓を射る時の恐怖心からくる緊張、早気を直そうとする焦りからくる緊張が考えられます。




晴れの舞台で、適度な緊張から士気が高まり、充分実力を発揮できることは必要な効果となりますが、逆に過度の緊張は実力が発揮できなくなってしまうこともあるでしょう。

緊張しないようにすればするほど緊張感が増してしまうという負のループに陥り、早気を招いてしまうことが多くあります。

緊張とは気持ちの問題もありますが、筋肉の緊張の問題の場合もあるため、一概に精神論で克服するということはいえません。

早気の克服は早気の原因にもよるので、人それぞれになりますが、試合や審査といった場面での緊張には、場数を踏んで、場に慣れて経験を積んでいくという対策もあるでしょう。

全く緊張せずに、気が緩んでいる状態では集中力も欠けて、行射の成果もあがらなくなってしまうのも問題ですので、緊張感があるというのは行射に集中するために必要不可欠なものと考えてください。

人は緊張している時には呼吸が浅くなっていたり、息を止めてしまう傾向があるようです。

弓道では、射法八節と体配でも呼吸との関連性の深さを説かれています。

日常生活では意識することのない呼吸ですが、殊に弓道では、丹田を中心とした腹式呼吸に意識してひとつひとつの動作を行なうことが求められます。

また、腹式呼吸には、リラックス効果もあるので、試合や審査などで緊張してしまった場合の応急措置の方法として、覚えておくといいでしょう。

いつも、その場限りの対策で早気を克服することは難しいので、普段の練習から、呼吸を意識して練習を行ない、緊張からくる早気を克服して、弓道のさらなる上達を目指していきましょう。







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