引分けについて|弓道が上達するための練習方法
引分けは、打ち起こした弓を左右均等に引き分け的を射るという、弓の目的を発揮させるための動作です。弓道の中心となる動作であり、次の会、離れの善し悪しに大きく影響を与えます。
そのため、上達には必要不可欠です。
1.引分けの基本動作
打起しから弓を左右に押し開く動作を引分けといいます。
引分けの動作は、両拳の高さに差が出ないように、地面と水平に引き分けていきます。
ここで、右手に力が入っていると、肩が出てしまっていたり手首が折れてしまいます。力が入っていると、離れで弦を引きちぎるようになり、弦音も美しく有りませんので、上達には力を抜く必要があります。
僅かに押し手側が高くなることは許容されることもあります。しかし、会に入る時に押し手と引き手が同時に収まることが望ましいため、両拳の高さは左右同じであることを心がけるのが良いです。
矢は体と平行に、的に対しては水平を保ちます。左手は的に向かって押し進め、右手は矢束いっぱいに左右均等に引き分けていきます。
引き分けていくと、弦は頬に触れ、高さは口の位置まで弦が引き収まります。頬に触れることを頬付けといい、口の位置のことを口割りといいます。
ところで、引分けを左右均等に引き分けるには、いったん押し手を左へ寄せなければなりません。この左へ寄せる動作を「大三」と言います。
大三はいったん適当な位置で引分けを止め、手の内を調えて引き分ける方法です。
正面打起こしでは大三をとる必要があります。
斜面打起こしでは、最初に手の内を弓構えで調えて打起こすので、既に弓は左側へ寄っており、大三を取る必要はありません。しかしこの大三を取るやり方の方が、胴造りの崩れにくさでは有利であり、弓道初心者にはやりやすく、また一般的でもあります。
2.引分けの注意事項
弓道初心者の方は引分けの動作で力が入りやすくなります。特に右手に力が入ると均等に引き分けることが難しくなります。
最初は手先に力は入りますが、力は肘へ掛り、肘から引き分けるようにします。まずは手首を先生に持ってもらい、肘で引く、というイメージを教えてもらうと良いと思います。
また、中には生まれつき腕が曲がっている人もいます。これは猿腕と呼ばれます。
私の経験上、猿腕をもっている人は押し手が入りやすい人が多いように思います。ただ、教える側も教わる側も、最初は戸惑うことがあるので、腕の形を気にせずに左右均等に引くことを心がけて下さい。
引分けの動作は腰を中心として行われるものです。胸から左右に開き、体を弓の中へ入るように引きます。
弓道は手首ではなく、体で引くものである、ということを念頭に置き、正しく行われると、弓矢と体の縦横十文字も正しく形成され、上達に繋がります。
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