体配での呼吸の仕方 | 弓道が上達する練習方法
弓道では、射法と合わせて学んでいかなければならない、体配というものがあります。
体配とは、弓道において、武射系流派においての礼射、または射礼(弓道場への入場~行射~退場までの一連の流れ)のこと、とされています。
1.体配とは
体配とは、弓道における動作の作法ことをいいます。
また体配は、その体の配り方のことをいいますが、武者系統の流派では射礼のことを体配といい、昔から、祭祀、式典などの場合に正式の服装で礼法に従って射を行なうことを表しています。
現在では、演武や競技、審査の場合でもこれに準じた方法で射を行ないます。
弓を射るにはその技術だけが正しければいいというものではなく、真心のこもった射でなければ弓道とはいえません。
その心の表れが射礼として体の配りに表現されるものであって、それによって、引き手の美しさ、気品、風格があらわれるのです。
体配も射法と共に、常に修練しなければ身についたものにならないのです。
射礼は流派によって独自の方法がありますが、現在では、全日本弓道連盟が射礼の方法を制定しています。
2.体配と息合い
体配とは、自然体を基本として美しい所作を身につけることが重要になってきます。
基本姿勢は、立った姿勢、腰かけた姿勢、座った姿勢(正座)、つま先立ちで腰を下ろした姿勢(跪坐、蹲踞)の四つに大別されます。
また、基本の動作として、立ち方、坐り方、歩き方、停止体での回り方、歩行中の回り方、坐しての回り方(開き足)、礼(坐礼、立礼)、揖が八つに大別されてあります。
これらの姿勢と動作は行射とは直接には関係ありませんが、日頃から姿勢を正しくすることと立ち居振る舞いを見直すことによって、行射でも正しい姿勢を自然にとれるようになってきます。
また、呼吸を意識して行なうと落ち着いた所作が身につくでしょう。
基本の姿勢と動作を覚えることで、日本人として、また武道に携わる者として、美しい所作を身につけることができるのです。
これは、弓道が年齢、性別に関係なく誰でも楽しめる所以でもないでしょうか。
弓道ばかりでなく、武道では、「礼に始まって、礼に終わる」とあるように、美しい所作から生まれる礼は素晴らしいものです。
また、弓道では、呼吸方法を大切にしています。
射法八節の章でも、幾度となく申してきましたが、動作を行なうにあたって、呼吸は止めることなく、常に、丹田を意識した腹式呼吸を心がけることをいわれています。
これは、単なる息合いだけでなく、腹式呼吸による、深い呼吸で間合いをとり、間合いとは体配とも密接に関係してくるからなのです。
胸式呼吸では、試合や審査などの場で緊張した気持ちを和らげることは難しく、せっかくの練習の成果を出し切れないことを招いてしまうこともあるかもしれません。
日常生活ではなかなか意識して腹式呼吸をすることは難しいですが、弓道場での稽古以外でも、どこでもできる簡単な練習なので、普段から腹式呼吸を意識してみることが、弓道の上達のひとつのコツともいえるでしょう。
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