弓道の競技「遠的」について

弓道の競技には近的と遠的があります。遠的は近的に比べると馴染みが薄く、3年間で経験したことがないという高校生も多いと思います。

そんな遠的のルールと、遠的を行うコツを解説します。


1.遠的の概要

遠的は近的に比べて馴染みがないですが、それは広く安全な場所の確保が限られているからです。

それでも、明治の終わりから大正頃までは盛んに行われたようです。その理由は、都会化によって場所を得ることが難しくなったためであり、遠的場がある所は、現在では限られてしまいました。

遠的の射距離は60メートルが基本で、射距離が長い分、天候、とりわけ風の強さや方向に、的中が左右されやすくなります。

一方、近的に比べると、遠的の場合は審査員や審判者も寛容に見ることが多く、ピリッとした近的よりも、気持ちの面でやや穏やかに引くことができるでしょう。

使用される的は競技方法によって異なりますが、得点制の的で直径122センチ、的中制の的でも直径100センチあります。得点制の的は五色に塗り分けられており、中心から、黄・9点、赤・7点、青・5点、黒・3点、白・1点となっています。

遠的には、遠的の射法のコツがあります。近的と比べ応用性が高く、また遠的を行うことで得られる、近的のコツもあります。

遠的の機会があれば、ぜひ行ってみましょう。


2.遠的での利点

ここでは、遠的を行うとどんな利点があるかを紹介します。

まず、伸合う呼吸が覚えやすいことがあります。




遠的では、矢先を上げなければ60メートル先の的に届くことは難しいです。

近的に馴染みがある私たちは、おそらく、近的の射法と同じように打起し、引き分けるでしょう。そして、矢先を上げて仰角を取ります。

しかし、それでは実質的に会の時間が長くなります。体に、弓の力が長くかかるため、息が苦しくなり、早気になってしまうこともあります。

そのため、退き胴で引きます。退き胴は体のバランスが取りづらく感じますが、ポイントは近的と同じです。

むしろ、しっかりと伸びなければ、矢は失速するでしょう。ゆえに、伸合う呼吸を学びやすく、しっかりと伸合うことで、押し手、引き手の働きも強くできるようになります。






3.遠的での引き方

弓道の遠的の解説は数が少なく、知っている方も多くはいないと思います。

遠的では、「直付け」「腰切り」というコツがあります。

「直付け」とは、大三までは近的と同じように行い、大三からは右手から引いていきます。

近的では左手からと教わると思いますが、遠的では逆になります。右手が先に引き切ると、左手の矢先は上がったまま止まります。

「腰切り」とは、中胴のまま、会で矢先を上げて退き胴を意図的に出すやり方です。遠的をあまりやらない人は、胴造りを大きく変化させないという点で、近的と大きく変わらないこの方法が良いでしょう。

腰切りには、大三で行うものもあります。大三から引分けて退の胴造りをつくり、それを崩さないように会に入る、という方法です。







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