弓道における胴造りの五つの胴

胴造りは弓道の骨格をつくる大切なものです。それには五つの胴造りがあり、五胴または五身とも呼ばれています。

熟練者にとっては目的によって使用される応用動作ですが、初心者には上達の妨げとなってしまいます。


1.中胴

中胴は、五つの胴造りの中で、体の重心が最も安定した胴造りです。腰骨の横温泉と背筋の縦の線が垂直に交わった、弓道を行う上で修得すべき胴造りです。

弓道において、常に正中であることは非常に難しく、上達には、胴造りの基本である足踏みを正しく造り、重心を置く位置、丹田の入れ方などを丁寧に行うことを心掛けていかなければなりません。


2.屈の造り

屈の造りとは、横から見たときに、首筋の中心が腰の中心よりも前に傾いている胴造りです。

引分けで胸が出ることが多く、それを支えるために背中が大きく反り、首筋が倒れてしまいます。ごくわずかであれば許容される場合もありますが、度が過ぎると形が悪く、伸合いが十分にできずに、矢に勢いが失われ、前や前下に集まりやすくなります。

つま先の方に重心が掛っている可能性があります。そのバランスを保つために、腰が後に引きずっているのが原因です。

重心が足の裏の中央、土踏まずから腰の中央にあることを意識するといいでしょう。

実際には、足踏みをつくったら、へそを1mほど先に向けるように体をやや前方へ傾けて、自然に体を起こします。すると、腰に力が入り、自然な胴造りになります。

体を起こすのをやり過ぎると、今度は反り胴になったりするので、気を付けて下さい。


3.反り胴

反りの胴造りは、背中が後方へ倒れている胴造りです。




この胴造りは、足場が動く不安定なところ、例えば舟の上であったり風が強いときなどに、五つの胴の中では特に有利に働きます。

腰に丹田が入っていない状態で必要以上に胸を張ろうとすると上体がのけぞり、反ってしまいます。

この状態では、引分けが窮屈になってしまいやすく、弓自体が仰向きに傾いてしまいます。そのため力の抜けた矢飛びになってしまいます。

胸の力を抜いて背筋をきかせることが上達への近道です。

中胴以外の五つの胴の中で、初心者でも許される場面があります。

それが遠的です。遠的ではやや反りの胴造りで引くのが一般的です。


4.懸の胴造り

懸の胴造りとは、的の方へ体が傾く胴造りです。

弓を引分け、詰合に入るときに、的の方へ体が向かうことが多いようです。弓道初心者は特に正面打起しで打ち起こし、引分けで大三に入ると懸りやすいので気を付けましょう。

この胴造りは、引き分け時に押し不足になり、対して引き手は下がってしまいます。残心においては、押し手が低く引き手が高くなり左右不均等になります。

これは悪癖とされるので注意が必要です。


5.退の胴造り

退の胴造りは、懸の胴造りとは逆に本座の方へ体が傾きます。正面打ち起こしの時は大三以後、引分けで引き手の方に余分な力が入っていると上体が退きやすくなります。

五つの胴造りの中ではあまり目立ちませんが、引分けのときに引きが動かないので、矢は的の上方へ集まりやすくなります。

この状態になると矢が上の方へ行くため、矢が離れるときに矢所を下げようとする「切下げ」という癖に繋がります。打起しに際しては、胴が正しく中心にあることを意識して下さい。







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