打起しについて|弓道の基本

弓道において、打起しは弓を引き分けるために、両の拳を頭上へ持ち上げる動作です。矢を実際に番えて行う子の動作は、手先だけの動作ではありません。

動の動きと静の動きが一体となった打起しの上達を目指しましょう。


1.打起しの基本動作

弓構えの姿勢から、静かに両の拳を頭上へ持ち上げる動作が打起しです。実際には、拳を上げるのではなく、肩の位置をそのまま収めたまま、肘から糸で吊られるように、打起しを行う方がイメージしやすいかもしれません。

背筋を伸ばして堂々と打ち起こすのが良いです。

打起しの高さは約45度が基準と言われますが、歳を重ねるごとに低くなる傾向にあります。しかし、基準にとらわれずに、両肩が正しく収まり、肘は自然に張った状態で打ち起こせば、持ち上がる拳の位置は一定になります。

打起しには二つの方法があります。「正面打起し」と「斜面打起し」です。

正面打起しは弓構えの位置からそのまま両拳を同じ高さに打ち起こします。胴造りが崩れにくく、一般的な打起しです。

斜面打起しは斜面の構えから左斜めに打ち起こします。打起しの次の引分けで、大三を取る無駄がありませんが、正中を保つことを心得ていなければ胴造りが崩れやすく、少々難しい方法です。

どちらにしても、足踏み胴造りをそのままに、弓と矢を持った手先に注意して、静かに打ち起こしましょう。それが弓道上達の近道です。





2.打起しと呼吸

打起しの緩急は、後の会や離れにも影響を与えます。

その肝は呼吸です。身体の活動を促す呼吸は息合いと呼ばれます。

吸う息に合わせて打ち起こすことで、他の動作の気合いを一致させることができます。始めはゆっくり、中はすらすらと、終わりは静かに、と打起しの理想的な速度が身に付きます。

呼吸の乱れは、早気の原因にもなりますので、弓道練習の初期から呼吸に合わせることを癖づけておくと良いかもしれません。

また、力を抜くという点でも呼吸は有効です。前屈運動を息を止めてするのと呼吸を意識してするのでは、後者の方が成績が良くなることと同じです。

呼吸によって力が抜けることで、打起し時、肩も上がりにくく、収まり、自然な動作に近づきます。弓道全体に言えることですが、打起しの上達には呼吸が一番の近道です。

また、打起しでは、伏せすぎ、または仰ぎすぎに注意しましょう。遠的などでは、的によっては伏仰する場合もありますが、通常の的前では、垂直かやや伏す程度が良いとされています。

些細なことだと思われるかもしれませんが、引分けで引き不足を招いたり、結果、離れも伸び不足で切れがなく、中りにも大きく影響してきます。また、見た目にも美しくありませんし、不正であることには変わりませんので、矯正は必要です。

自身では分かりづらいので、指摘を受けたらすぐになおすよう心掛けましょう。







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